第5回あふれる重症患者、家族の「覚悟」 なぜ病床増やせない

有料会員記事新型コロナウイルス

小林太一、堀之内健史 聞き手・杉浦奈実、明楽麻子
【動画】大阪府内で自宅療養する新型コロナウイルス感染者を支える往診医に同行した=ファストドクター提供、映像の一部を加工しています
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 変異株が猛威をふるう大阪では、若い世代の患者も重症化した。だが、病床が逼迫(ひっぱく)し、重症患者でも中等症病床にしか入れないケースが相次ぐ。府医師会長と現場の病院長にインタビューし、実態や課題を語ってもらった。

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重症患者に対応する野崎徳洲会病院の看護師=2021年5月7日、大阪府大東市、堀之内健史撮影(画像の一部を加工しています)

 大阪府新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れている野崎徳洲会病院(大東市)。コロナ病棟で自ら治療にあたり、陣頭指揮をとる中川秀光院長(72)が、朝日新聞のインタビュー取材に応じた。

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野崎徳洲会病院の中川秀光院長=2021年5月7日午後3時10分、大阪府大東市、小林太一撮影

重症患者「中等症病床を使わざるをえない」

 「今は重症患者が多すぎる。できたら挿管してHCU(高度治療室)で診たいが、中等症病床を使わざるをえない」

 同病院では、軽症と中等症の病床は昨年3月から計38床運用している。第3波の11月には、府の要請を受け全5床のHCUのうち4床をコロナ重症患者用にした。第4波の今年4月下旬からは、すべてコロナ向けに運用している。だが、中等症病床で診ていた患者が重症化するケースは多く、満床に近い状況が続く。

 重症化した患者に人工呼吸器を挿管すると、その管理に多くの看護師の手がとられてしまう。「本当は重症患者を診られる病院に送りたいが、どこも満床で無理。治療方法を考えながら、なんとかコントロールしている」。同病院の中等症病床で診る必要がある重症患者は、府の統計では「中等症」に含まれるという。

 3月末からの第4波で100人近くを受け入れてきたコロナ患者のうち半分ほどが重症に至った。重症化までの期間は第3波までと比べて短くなっている。最近は、骨折や脳出血など他の病気やけがで運ばれてきた人が検査の結果陽性と分かるケースが多く、「それだけコロナの患者が増えている」。5月の大型連休中も、自宅療養者が重症に近い状態で搬送される例が相次ぎ、搬送後すぐ亡くなったケースもあった。

逼迫する重症病床、なぜ増やせないのか

高止まりが続く大阪の重症患者数。現場が逼迫する中、なぜ病床を増やせないのでしょうか。記事の後半では、大阪府医師会の茂松茂人会長にその理由を聞きました。

 多くの重症患者を抱えるが…

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