「唯一やり残していた」頂点に 医師めざす福岡がトライ

野村周平
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 医師になるため、今季限りで現役を引退するラグビー元日本代表のWTB福岡堅樹パナソニック)が最後の試合で輝いた。23日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたサントリーとのトップリーグプレーオフ兼日本選手権決勝。

 前半、左タッチライン際で球を受け取ると、サントリーのWTB中鶴隆彰を抜き去り、SOバレットのタックルをかいくぐり、低くジャンプしてトライ。狭いスペースをあっという間にこじ開ける速さと強さは、ラストゲームでも際立っていた。

 左足のキック、そして相手キックのキャッチ。試合を通じ、現代ラグビーのWTBになくてはならないプレーで高い精度を示した。タックルやインターセプトを決め、相手の外への攻撃を何度も食い止めた。

 坂手淳史主将は「堅樹のプレーは今日もすごかった。本当に味方でよかった」。試合前に本人が「全力を出し切りたい」と話していた通りのパフォーマンスで、80分間を駆け抜けた。

 順天堂大医学部に通いながら、戦い抜いた最後のシーズン。現役最後の舞台だったが、福岡は「最後とは考えず、目の前のワンプレー、ワンプレーを後悔しないようにやろうと思った」。15人制日本代表では2019年ワールドカップ日本大会の8強に貢献し、7人制ではリオデジャネイロ五輪で4位の好成績を残した。そして最後、日本一。

 「唯一やり残していた(パナソニック)ワイルドナイツの優勝ができて、後悔なく次の道に進める」。すっきりした表情で語った。(野村周平)