40歳にして惑わず衰えず ソフトバンク和田毅が3勝目

菅沼遼
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(23日、プロ野球=ソフトバンク7―2オリックス)

 六回。外角の直球に、リーグ打率1位のオリックス吉田正尚のバットが空を切った。空振り三振に仕留めたのはソフトバンクの40歳左腕、和田毅。今年2月に不惑を迎えてなお、そのストレートは衰えを知らない。

 「今日は低めのまっすぐに良い感じがした」。この日の最速は145キロ。回転数が多い直球は、打者には球速表示以上に速く感じられる。二回以降は毎回、走者を背負ったが、セットポジションになるとコントロールもさえた。「あとは間違えないようにと思って投げた」と、安定していた。

 七回途中1失点で、チームトップタイの3勝目を挙げた。開幕から先発ローテーションの一角を守るベテランの投げっぷりを、工藤公康監督も「粘りの投球だった。後半までよく投げた」と褒めた。

 年齢を感じることはあるのか――。報道陣からそう問われ、和田は「若者の言葉が分からない。テレビで出てきた言葉が、娘は分かるって言うのに。世代ですね」と笑ったことがある。食欲は旺盛。走る体力も落ちていない。投球データを使った研究への熱意は、年を重ねてより高まっている。

 この日、交代してベンチに下がった際、味方に好投をたたえられる中で悔しげに顔をしかめた。「七回を投げきれずにああいう(走者を出した)形で降りるのは、自分の課題。またしっかり練習していきたい」。満足を知らないベテランの働きで、チームはパの首位をキープ。過去15シーズンで8度制している交流戦に臨む。(菅沼遼)

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