先行投資実らせたパナソニック 最後のトップリーグ制覇

野村周平
[PR]

 築き上げたスタイルで頂点にたどり着いた。23日のラグビーのトップリーグプレーオフ兼日本選手権決勝。パナソニックが31―26でサントリーを破り、優勝した。ピンチを迎えても粘り強く球を奪い返す伝統の堅守が、勝因だった。

 開き直って攻勢を強めるサントリーの反撃を断ち切ったのは、途中出場の若武者2人だった。

 後半20分過ぎ、パナソニックの守り。自陣ゴール前で26歳のSH小山が、相手から球を奪うジャッカル。その10分後も自陣から攻めてくる相手に、両チーム最年少の21歳、FW福井が重圧をかけて反則を誘った。防御リーダーのFW堀江は誇る。「ラインを上げてプレッシャーをかける。やってきたことを出せた」

 5度目のリーグ制覇を遂げたパナソニックには「俺たちはディフェンスチーム」(坂手主将)という信念がある。前身の三洋電機時代から、SOだったブラウン現日本代表コーチ、堀江らが築き上げたスタイル。それが若手にも根付いてきたことを証明する勝利だ。

 サントリーのバレットを筆頭に司令塔の背番号10を外国選手に委ねるチームが多い中、パナソニックは今季、松田と山沢にタクトを託した。バレットをしのぐ2人の活躍に、ディーンズ監督は「次のワールドカップでプレーできる力を見せてくれた」と喜んだ。

 競技の将来を見据え、目の前の結果に一喜一憂しない先行投資を惜しまなかったチームだ。堀江らの海外挑戦を後押ししたり、福井のような高卒選手を採用したり。医師との両立を目指した福岡を支えたのもその流れの中にある。

 「我々の仕事はチームと選手の成長を高めること」と指揮官。前例にとらわれず挑戦を止めないパナソニックは、最後のトップリーグ王者にふさわしかった。(野村周平)

 坂手(パ) 主将。反則数は相手を四つ下回る5回。「持ち味のディフェンスと規律の高さを存分に出せた」

 稲垣(パ) 福岡について「最高の形で送り出すことができた。第二の人生も頑張ってほしい。彼に治療してもらう日がくるかもしれないですね」。

 松田(パ) 日本代表候補は正確なゴールキックで13得点。「課題はあるけど、充実感はある。もっと成長したい」