トランスジェンダー差別反対 フラワーデモで訴え

伊藤繭莉
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 【福岡】性暴力に抗議する人たちが街頭に立つフラワーデモ。県内でも始まって2年が過ぎたが、今年に入ってから、デモにトランスジェンダーへの差別反対を訴える若者たちが加わるようになった。ネット上などで、トランスジェンダーを排除・否定する差別発言が広まっていることに危機感を抱いての行動だ。差別の実態を伝えようと、映画上映や勉強会の開催も検討している。

 3月11日、福岡市中央区の警固公園で開かれたフラワーデモで、20代の2人が「NO! トランス差別!」などと書かれたカードを持って立った。トランス差別に反対する「トランスライツ福岡」のメンバーだ。

 トランスジェンダーは性的少数者のひとつで、生まれた時に決められた性とジェンダー・アイデンティティーが異なる。例えば、戸籍上は女性でも、自身のアイデンティティーを男性やどちらの性別でもないと認識している人もいる。

 トランスライツ福岡は、県内の社会人や学生5人のグループ。ネット上にあふれるトランス差別が実社会へも広がることを懸念し、主にツイッターで差別反対を訴える活動を始めた。

 ツイッターで目立つのは、女性のアイデンティティーを持つ「トランス女性」への攻撃的な発言だ。「性自認は存在しない」などと、女性と認めず排除する発言もあるという。性暴力についても、トランスジェンダーの被害は女性の被害に比べて小さい、といった発言もあるという。

 こうした発言が、性差別に反対する女性たちの中からも出ていることに危機感を覚え、フラワーデモへの参加を思い立った。

 3月のデモに参加した1人は「トランスジェンダーが受けた性暴力の矮小(わいしょう)化に反対」と記したカードを持った。「性暴力は誰が受けてもつらく、序列はない」

 もう1人は、知人から「トランス女性が女子トイレに入れば性犯罪を招く」と言われ、憤りを感じたという。「多様なジェンダーの人たちと一緒に生きているという前提が共有されていない。見た目で勝手に性別を判断し、発言することが当事者を傷つけていると知ってほしい」と話す。

 1月から毎月デモに参加している別のメンバーは、デモの後、他の参加者とトランスジェンダーに関する勉強会を開いた。トランスジェンダーとどう接したらよいかなど多くの質問を受け、「またやりたい」と手応えを感じたという。今後は勉強会のほか、トランス差別を描いたドキュメンタリー映画の上映も検討している。(伊藤繭莉)

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男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]