「奇跡の一本松」巻きずしに 選手村のフードコンテスト

津布楽洋一
[PR]

 【栃木】東京五輪選手村で出されるフードメニューを一般公募したコンテストで、矢板市の川井ゆかりさん(56)の作品「東北復興応援巻寿司(まきずし)」が特別賞の「東北復興賞」に選ばれた。岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を巻きずしでデザインした。

 美容サロンを経営する川井さんは民間の「巻寿司特任大使」などを務め、これまで様々な巻きずしを考案してきた。「東北に目を向けるきっかけになれば」と願いを込めた。

 受賞した巻きずしは太さ約8センチ。一本松は青のりで松の緑、かんぴょうで幹の茶色を表現した。まわりには青、赤、黄色など五輪カラーを配した。食材には宮城県気仙沼市産のカツオフレークなども採り入れた。

 被災地の気仙沼市などを訪ねて、断面に美しい図柄を描く「デコ巻き寿司」教室を開いて現地の人たちと交流を続けてきた。

 生まれは前回の東京五輪があった1964年で、縁を感じた。「海外の人たちに日本伝統の巻きずしと被災地のことを知っていただく機会にしたい」とコンテストの応募を決意した。

 特別賞受賞に被災地で知り合った知人たちも大喜びだったという。川井さんは「10年が過ぎ、震災の記憶が薄れてしまった人もいるかもしれない。もう一度思いを寄せてもらえたら」。コロナ禍で交流は休止している。被災地を訪れて再び交流を再開することを心待ちにしているという。(津布楽洋一)