「喫茶コロナ」に99歳のママ 客に感謝、再開の日待つ

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岡田将平
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 店の名はコロナ。61年間、店を守ってきたママはまもなく100歳になる。新型コロナ感染拡大を受けた緊急事態宣言で明かりが少なくなった広島市の繁華街にたたずむ老舗喫茶店だ。宣言で休業を余儀なくされているが、コロナ禍の今も常連客らに愛され続けている。

 広島市中心部。飲食店が入る雑居ビルがひしめく一角に、店はある。「昭和」を感じさせるレトロな外観。カウンターでにこにこほほえんで客を迎えるのが、戸田冨美子さん(99)だ。7月に100歳になる。

 店名は戸田さんの思い出に由来する。広島市の女学校に通っていたころ、皆既日食の時に太陽の周りに見える「コロナ」と呼ばれるガスの光を知って、美しさに引かれたという。いまは、コロナと言えば感染症のこととなり、「こうなるとは夢にも思わなかった」。

 戦時中、夫と旧満州中国東北部)におり、終戦すると引き揚げた。着の身着のままで「指輪なんかも全部置いて帰った」と惜しむ。店は1960年、38歳の時に夫と開いた。開店当時は飲み屋街ではなく仏壇店が軒を連ねていた。現在はコーヒー1杯450円だが、当時は50円だった。

 はじめは慣れない仕事で、「『いらっしゃいませ』が言えなくて、涙をぽろぽろと流した」。だが、いまは「お客さんと話せるのが幸せ」と感謝する。

 現在は娘の山本義子さん(78)、親戚の勝田隆子さん(75)に主な仕事は任せるが、戸田さんがコーヒーを運ぶこともある。長年、腹が立つことも怒ったこともないという。「のんきなばあちゃんです」と笑顔で語った。

 毎日モーニングを食べに来る…

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