「京大的作家」の在学時の愛読書、生協本屋にずらり

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永井啓子
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 京都大の吉田キャンパスにある生協の本屋さんで、有名作家や歌人がひと肌脱いだ、大手書店も顔負けの企画が展開中だ。コロナ禍で学生の利用が減っているなか、少しでも「心に寄り添う言葉を届けたい」と、書店員さんらが奮闘している。

 古めかしさも漂うコンクリートの2階建て。吉田キャンパス西部構内の生協ショップルネは、1994年にオープンした。カフェテリアやパソコンコーナーとともに、一角を占めるのが書籍コーナーだ。

 取材に訪れた今月中旬、本棚の一つの前で、経済学部1年の女子学生(18)が驚きの声をもらした。

 「え、こんなに京大出身の作家がいるんだ」

 黄色い縁取りのポップがずらりと並ぶその本棚は、「京大的作家の在学時の愛読書」フェアのコーナー。森見登美彦さんや綾辻行人さん、万城目学さんら京大出身作家25人が、在学中に出合った1冊とその魅力をつづっている。

 女子学生は、受験勉強中は本を読む余裕がなかったと言う。「いろんなジャンルの本を読んでみたい。この中に面白そうなものがあればいいな」

 フェアのきっかけはコロナ禍だ。オンライン授業が中心となり、生協の利用者は昨年度は激減。同生協は昨年9月末、債務超過の恐れがあると公表した。感染終息の見通しがないなか、クラウドファンディングなどで立て直しをはかっている。

 この苦境ぶりをニュースで知ったのが、2008年に中原中也賞を受賞した詩人の最果タヒさん。書籍コーナーを盛り上げようと発起人となり、他の作家にも呼びかけて今年1月にフェアを実現した。作家が選んだ本と紹介文、自身の代表作が並んでいる。

 例えば、森見さんが選んだの…

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