少年野球との接し方 トータルテンボス・藤田さんの極意

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構成・金島淑華
【動画】少年野球の課題や保護者の悩みについて語るトータルテンボスの藤田憲右さん=平井隆介、西田堅一撮影
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親の役割って

子どものスポーツの現状を掘り下げる連載「子どもとスポーツ」の第3シリーズ。今回は親の関わり方について、現場のルポやインタビューなどを通じて考えていきます。

 高校野球大好き芸人として知られるトータルテンボス藤田憲右さん(45)は、小学5年生の息子の野球チームの「パパコーチ」だ。学童野球への関心は高く、全国の学童野球チームに足を運び、SNSなどを通じて保護者と意見交換をしている。親の関わり方に関する悩みや課題について、語ってもらった。

 高校野球が好きな人って、球児のその後が気になって大学・社会人野球に詳しくなるんです。次に「あの選手、ここの出身だったんだ」と少年野球までさかのぼる。僕の場合、そうやって興味を持ったタイミングで息子が学童野球を始めたこともあって、より関心を抱くようになりました。

 野球人口が減るのは少子化で仕方ないけれど、野球をやる子どもの割合も(他競技より)減っているのを、危惧しています。

 塾やゲームなど選択肢が増えただけじゃなく、「野球って面倒くさいスポーツ」というイメージが定着していて、やらせたくないと思っている親が多いんです。

 実際、僕が学童野球の現場を見たり、保護者として携わったりして「昔は良かったかもしれないけど、今は違うでしょ」というしきたりが多いと感じます。

 そのひとつが「当番制」です。

気遣う親、甘える指導者

 ある親が、休日返上でボランティアでやってくれている指導者に気を使って「監督どうぞ」ってお茶を差し入れたところからスタートしているんです。

 でも、その親が抜けた後も「監督にお茶を買っておいてあげた方がいいですよ」というのが慣習化し、当番の親がやらなきゃいけなくなっていった。お茶だけじゃなくお弁当まで。それに甘えた指導者が「コーヒーをください」と言う展開になるんですよ。

 人の家にお邪魔して「どうぞ召し上がってください」と麦茶を出された時に「お茶が飲めないんで、コーヒーください」って言ってるようなもんだと思います。善意で出してくれたものに対してわがままを言うなんて失礼じゃないですか。それと同じことです。

 「おかしい」と思うのは当然なのに、それを口にした保護者は「あの人、ちょっとうるさい」とチームで浮いてしまう。我慢して泣き寝入りしている親、すごく多いんですよね。

 草の根活動ですが、学童野球の現場を見にいって気になったら、僕はズバッと言います。「要ります? その当番」って。痛いところを突かれたという反応をする指導者もいます。

 一方で、僕は最低限の当番は必要だと思っています。

影はちらつかせる

 例えば、子どもがけがをした時、監督が1人で指導しているチームだと対処のしようがない。技術や心構え以外のことまで指導者がやらなきゃいけないとなると、相当、負担がかかります。見守るという立ち位置も含め、親が子どものお世話をすることは必要だと思います。

 子どものスポーツって、親の携わり方がすごく大事。僕は「関わりつつ、関わりすぎず」が一番良いと思うんです。

 ちょっと親の影をちらつかせておく。毎回見に来られるのが嫌な子もいるので、当番以外は、基本は送り迎えだけで、たまにいてあげるのがいいと思います。

 ほったらかしもかわいそう。子どもはやっぱり、親に良いところを見せたいはずなんです。

 僕は行ける時は行って、あんまり口出しはしないようにしています。

 息子が野球を始めたばかりの…

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