個人より集団の利益を重んじる傾向がある社会ほど、コロナ禍でのマスク着用率が高い――。そんな傾向が確かにあるらしいことを米マサチューセッツ工科大などのチームが確かめ、論文を米科学アカデミー紀要に発表した。日本は、集団主義的な傾向はそれほど高くないが、マスク着用率は高いという結果だった。
ウイルスの感染拡大を防ぐマスクの着用率には国や地域でばらつきがある。その理由を説明するため、チームは各地の一般的な集団主義的傾向を見る指標に着目。フェイスブックや調査会社が集めた米国内が対象の2件と米以外の国と地域が対象の2件の計4件、90万人超のデータから着用率との関係を調べた。
その結果、米国では集団主義的な傾向が強いとされるハワイなどで着用率が高く、個人主義的な傾向が強いとされるノースダコタ州やモンタナ州で低かった。
国別でも、米国や英国など個人主義的な傾向が強いとされる国で着用率が低く、韓国やタイ、アラブ首長国連邦など集団主義的な傾向が強いとされた国で着用率が高かった。新型コロナの広がりや政治体制は地域で異なるが、その違いを考慮してもこうした傾向は確認できたという。
一方、日本は、集団主義的な…