総務省接待54件、全て東北新社が負担 調査報告書発表

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 総務省幹部らを繰り返し接待していた放送関連会社「東北新社」が24日、特別調査委員会(委員長・井上真一郎弁護士)の調査報告書を発表した。総務省幹部ら13人と計54件の会食があり、すべて東北新社側が費用を負担したと認定。2017年8月初めに把握した同社の外資規制違反については、当時、総務省側に報告していたと認定するのが「合理的だ」とした。

 特別調査委が認定した会食には、これまで判明していなかった会食が約20件含まれている。

 報告書によると、多くの接待を主導していた同社の木田由紀夫執行役員(当時)は2017年8月28日、衛星放送の認可を担当する当時の衛星・地域放送課長と会食し、東京ドームでのプロ野球の観戦チケットも提供していた。この課長は、井幡晃三・放送政策課長にあたる。また、別の総務省幹部も同年9月27日に会食をしていた。

 この時期は、同社内で放送法外資規制に違反していることが発覚した直後にあたる。報告書では、東北新社内で17年8月4日には外資規制違反が認識され、同月9日までに総務省情報流通行政局総務課長に報告したほか、同月18日には当時直接の担当者だった井幡氏にも、違反状態を前提にした報告・相談をしたと認定するのが合理的だとした。

 そのうえで、外資規制違反の発覚後の会食について、特別調査委は「不当な働きかけを行う強い必要性、動機があったとは認められない」としつつ、「不当な働きかけの対価と評価される可能性があることに全く思い至らなかった点は軽率に過ぎ、驚きを禁じ得ない」「コンプライアンス上重大な問題がある」と断じた。

 東北新社外資規制違反について、総務省側はこれまで、井幡氏を含む当時の担当幹部らが「報告された記憶はない」などと説明していた。井幡氏は24日夕、朝日新聞の電話取材に対し、「お答えすることはない」と話した。

 一方、報告書では、一部の接待に同席していた菅義偉首相の長男については、会話を盛り上げるために上司から誘われたもので、菅首相とのつながりを示唆して働きかけをする意図は認められない、とした。

 総務省は今年2月、幹部ら13人が東北新社側から接待されたとする調査結果を公表。今回新たな接待が判明した井幡氏も19年2月以降に5回、計6万円超の接待があったとして減給処分を受けていた。