日本企業に韓国の若者2千人を紹介 福岡の会社長の転機

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安田桂子
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 日本で働きたい韓国の若者を、日本の企業に紹介する会社が福岡市にある。これまでに約2500人の就職相談に応じてきた。起業のきっかけは幼いころの記憶と、戸籍の住所だった。

 2007年創業で、人材紹介サービスなどを手がける「アジアフューチャー」。福岡市博多区と韓国・釜山に事務所を置く。今春、社長の松清一平さん(50)らが向き合うタブレットに、韓国・仁済(インジェ)大学で化学を学ぶ4年の男性(24)が映った。日本の大学院への進学と就職を希望し、この日は初面談。会話は日本語で進んだ。

 「なぜ日本で進学を?」

 「化学分野は韓国より日本の方が優れている。いい環境にいればチャンスを得られると思ったからです」

 「勤務地が東京ではない場合も多いけど大丈夫?」

 「やりたい仕事ができるなら、場所は構いません」

 韓国では若者の就職難が続き、国も海外での就職を後押しする。面談に同席した仁済大海外就職進路センター長の裵成允(ペソンユン)さん(49)によると、日本は米国などに比べ安定した雇用が期待でき、希望者が年々増えているという。

 「コロナ禍で世の中が大きく変わる可能性がある。自分のやりたいことや能力に合う仕事はなにか、よく研究しておいてください」。面談の最後、松清さんは学生にそう助言した。

 松清さんは福岡市出身。実家は天神の新天町商店街で時計店を営んでいた。起業の原点は大学進学後、運転免許証の取得のためにとった戸籍。本籍に《長崎県下県(しもあがた)郡厳原(いづはら)町》と書かれていた。現在の対馬市。「福岡じゃないんだ」。驚き、家族の歴史を知りたくなって、フェリーで現地へ。役場で戸籍を確認すると、1903~45年、韓国・統営(トンヨン)に住んでいたことがわかった。

 父は曽祖父からこんな話を聞…

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