思いを肉声で 立教大が陸前高田市のウェブラジオ開始

宮脇稜平
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 岩手県陸前高田市の復興支援を続けてきた立教大(東京)が、震災からの10年を市職員や住民らが語るウェブラジオ「りくたかラジオ」の配信を始めている。市長から学生ボランティアまでいろいろな立場から、紙の資料には残らない生の声を届けたいという思いがある。

 番組はスマートフォン用のアプリ「りくたかラジオ」からいつでも無料で聞くことができる。第1回は先月22日、戸羽太市長と東日本大震災の復興構想会議で尽力した御厨貴さん(70)の対談を配信した。これまで市の部長など8回分が配信されており、今後は市内外から住民らの参加も進めていく予定だ。

 立教大は岩手大と共同で同市に交流拠点「陸前高田グローバルキャンパス」を運営するなど、震災を学ぶための取り組みを続けてきた。スマートフォンで防災情報を受信できないか模索する過程で、「平時から市民に聞いてもらえるものを作ろう」と考え、今回の配信につながった。

 番組は、収録したり音声データを送ってもらったりして製作する。公的な災害記録文書では客観的ではない要素は省かれてしまうが、今回のラジオは肉声をほぼそのまま届けるので、個人的な思いが詰まっているという。

 生の声に近い形で届ける意図を、企画を主導する立教大大学院21世紀社会デザイン研究科の長坂俊成教授(58)は「話したい思いを自由に語ってもらい、その人の主観的な世界観をクローズアップするため」と語る。(宮脇稜平)