病院火災82人死亡、背景に酸素危機 家族がボンベ置く

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ドバイ=伊藤喜之
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 イラクの首都バグダッドで4月下旬に発生した病院火災では、新型コロナウイルスに感染した入院患者など80人余りが死亡した。安全なはずの病院でなぜ大惨事が起きたのか。病院関係者らを取材すると、治療に必要な医療用酸素の不足が火災の背景にあることが分かった。

 バグダッドにあるイブン・ハティブ病院で火災が起きたのは4月24日夜。少なくとも82人が死亡、110人が負傷した。

 政府発表などによると、コロナ患者向けの集中治療室で爆発が起き、炎上した。患者のベッド脇に酸素ボンベが置かれていたが、家族がそのそばで調理器具を使って料理をし、その火気がボンベから漏れていた酸素ガスで燃え広がった可能性が指摘されている。

 同病院に勤務していた男性スタッフは朝日新聞の取材に応じ、「病院には治療に必要な医療品や資材がほとんどなかった。提供できるのはベッドと医者だけだった」と証言。患者家族の多くが、酸素ボンベを自費で購入し、病院に持ち込んでいたという。

 世界各地で新型コロナの変異ウイルスが猛威を振るう中、医療インフラが整わない途上国を中心に医療用酸素の不足が課題となり、「酸素クライシス(危機)」とも形容されている。インドでは酸素ボンベが供給しきれず、亡くなる患者が続出している。

 バグダッドのイブン・ハティブ病院でも酸素不足が常態化しており、家族らが持ち込む酸素ボンベが急激に増えたことで、安全管理が行き届いていなかった可能性がある。

患者1日あたり3~5本

 男性スタッフによると、コロ…

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