さい銭箱に「お金を入れないで」 仏様が見守る巣立ち

森直由
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 「お賽銭箱(さいせんばこ)の中で、四十雀(しじゅうから)が巣づくりをしています。雛(ひな)が巣立つまで、お金を入れないで下さい」。境内のさい銭箱に、そんな貼り紙をしている寺がある。SNSに写真が投稿され、話題を集めている。

 神戸市灘区の摩耶山(まやさん)天上寺。境内にポストのような形のさい銭箱があり、三十数年前から毎春、シジュウカラが巣を作るようになったという。

 さい銭箱は金属製で、高さ25センチ、入り口の幅は5センチほど。今年も巣作りに備え、寺がこの紙を貼った。4月、シジュウカラが箱に出入りするようになり、やがて中からひなの鳴き声が聞こえるようになった。

 樋口広芳(ひろよし)・東京大学名誉教授(鳥類学)によると、シジュウカラは巣の中にコケを敷き詰め、9個前後の卵を産む。植木鉢や交通標識、郵便受けなど、さまざまな場所に巣を作るという。画像を確認した樋口さんは「これは大きさや形がまさにうってつけの『巣箱』です」と話す。

 ひなは例年6月には巣立つという。寺は安産、子育ての守護仏「摩耶夫人(まやぶにん)」をまつっており、伊藤浄舟(じょうしゅう)副住職は「仏様の御利益を受け、元気に育って」と見守っている。(森直由)