「過労死ライン」引き下げ求める声も 過労死大綱改定

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山本恭介、岡林佐和
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 過労死を防ぐ国の施策をまとめる「過労死防止大綱」の見直しで、厚生労働省が25日に示した最終案は「勤務間インターバル制度」について導入企業の割合を2025年までに15%以上にする目標を掲げた。ただ直近の調査で4%強にとどまる現実を踏まえ、実効性を疑う声も出ている。

 過労死ゼロをめざし2015年に策定された大綱は3年ごとに見直され、今回が2回目の改定だ。過労死と過労自殺による労災認定数は毎年150人を超す水準で横ばいが続き、効果的な対策が求められている。

 勤務間インターバルは、仕事を終えて次に働き始めるまでに一定の休息時間を置く制度。過労死は長時間労働が連日続いて起こるケースが多いため、過労死防止の「切り札」とされる。EU(欧州連合)は加盟国に原則11時間のインターバルを置くよう求めている。

 現行の大綱でも導入企業を「20年までに10%以上」にする目標だった。制度の導入は19年4月から企業の努力義務にもなったが、20年1月時点の実績は4・2%にとどまる。中小企業での導入割合が特に低い。

 このため見直し案を議論する協議会では、遺族団体や弁護士の委員から過労死を起こした企業への義務化や、目標を「100%」にする提案があった。厚労省の調査で「導入予定または検討している」企業がすでに15・9%あることを根拠に、25日も15%の目標は消極的と指摘する声が上がった。だが経営側の委員は「残業が少なくインターバル制度の必要性を認識していない企業も数多くある」として、大幅な引き上げには慎重な姿勢を保った。

 大綱では新型コロナへの対応…

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