魚売りの少女、「母だ」 あのしぐさ一致 沖縄の古写真

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沖縄タイムス・城間有
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 朝日新聞大阪本社で見つかった戦前の沖縄の写真の1枚について、「写っているのは母」と家族が沖縄タイムスの取材に証言した。漁村で、魚を前に笑顔を浮かべる少女。家族は、懐かしさと恋しさをかみしめるように語った。「産んでくれてありがとう」

 1925(大正14)年に沖縄本島南部の漁村、糸満町(現在の糸満市)で撮影された3人の少女の写真。今年3月から4月にかけて、朝日新聞と沖縄タイムスの紙面やサイトに掲載された。

 「集金に行ったら、新聞にうちのおかあが載っていてうれしかった、と言われたんですよ」。糸満市にある新聞販売店の店主から、沖縄タイムス編集局に電話があったのは4月15日。店主は興奮気味に、あの笑顔の少女の娘さんという、上原クニ子さん(81)のことを伝えてくれた。

 糸満市で会ったクニ子さんは、記者にこう話し始めた。「あの日の朝、新聞で写真を見てとても気になって。昼ご飯も食べずにずっと写真を見ていたんです」。写真の右端の少女の姿が、那覇の市場に構えた生地店で客を待つ母、上原モトさん(1912~2000)が机に右手をつくしぐさと重なったという。

 クニ子さんの長女、奥濱由弥子さん(47)からも「新聞におばあが写ってるよ」と連絡があった。クニ子さんの三男、康さん(50)=東京都=が電子版を見て気づき、由弥子さんに伝えたという。「やっぱりお母さんだったんだ」。確信したクニ子さんは、母の優しさを思い出し、その日はずっと泣き続けたと明かしてくれた。

 モトさんは、エキゾチックな顔立ちが評判だった。

 生まれた年から計算すると、写真のモトさんは13歳ごろ。海人(うみんちゅ)(漁業者)だった父が取ってきた魚を売っているとみられる。

 糸満では、夫や父親が取った…

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