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1.4億円徴税、タイ当局通じ催告 条約適用外でも協力

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中野浩至
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 国際的な徴税の条約が適用されないタイ資本の法人から、札幌国税局が滞納分の税金約1・4億円を徴収していたことがわかった。滞納したのは日本国内の土地売買にからむ法人税などで、国税庁がタイの国税当局を通じ「逃げ得は許さない」とのメッセージを伝え、自主的な納税に追い込んだという。他国の当局を介して納税を催告するこうした手法が明るみに出るのは初めて。

徴税「協力」の条約対象外 手が出せなかった国税

 国際条約には「徴収共助」という枠組みがあり、他国の要請を受けて徴収を代行できる。だがタイなど徴収共助が適用されない国は多く、これらの国に資産を持つ法人や個人が滞納すると国税庁は手が出せず、課題となっていた。同庁は今回の手法を使い、徴収を強める方針だ。

 関係者によると、問題となった法人は南太平洋・サモアの不動産会社「ベル・インベストメンツ・リミテッド」。タイ人の男性実業家が実質経営しており、2016年7月、北海道・ニセコの山林や原野を別のタイの会社に売って約8億円の利益を得た。これらの土地はその後も転売され、現在は香港の会社が所有している。

 日本国内の不動産取引で得た利益は申告しなければならないが、札幌国税局がベル社を調べたところ、土地の売却益が申告されていないことが判明。法人税など約2・4億円を納めるよう求めたが、半分ほどを納めた後に連絡が取れなくなった。差し押さえられる資産も国内で見つけられず、税金を徴収できない状態に陥った。

国税がかけた心理的プレッシャー

 そこで国税庁は19年秋ごろ…

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