組み立て式の授乳ブース 安心できる場所を、ママに配慮

佐藤太郎
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 他人の目を気にせずに赤ちゃんに授乳したいという母親の声を生かした簡易組み立て式の授乳ブースを、埼玉県三郷市の簡易ブース製造販売会社「MISTRAL(ミストラル)」が開発した。100人以上の母親から授乳についてのアンケートをとりながら商品化にこぎつけた。

 同社は、社長の中野光城さん(43)が建築資材を扱う商社から独立して2019年に創立した。簡易組み立て式の喫煙ブースに続き、今年4月に授乳ブース「miruru(ミルル)」を売り出した。

 きっかけは自動車販売会社時代の体験だった。赤ちゃんを抱いた母親がショールームに来て、授乳をしたいので展示車の後部座席を貸してほしいという。「安心して授乳ができる場所がない」と訴えた時の母親の言葉が忘れられなかった。

 授乳ブースづくりに取り組みたいと思い、商社の同僚とともに中野さんは会社をつくった。つてを頼って出産・育児を経験する母親たちのミーティングに参加して意見も聞いた。

 圧倒的に多かったのは「授乳ができる場所が限られている」という意見。ほかにも「子育てをしたことがない同性から『同じ空間で授乳をしないでほしい』と言われる」「授乳をしていると経験者からあれこれアドバイスされ、かえって疲れてしまう」などと、中野さんにとって初めて聞くことばかりだった。中野さんは「想像以上に育児はストレスがたまる」と実感した。

 そんな声を反映させ、1年がかりで開発したのが授乳ブースだ。高さは2メートルほどあり、圧迫感はない。奥行き約1メートル、幅約1・5メートルで、ベビーカーを折りたたんで入られる広さだ。産婦人科医の意見も採り入れたソファは、授乳だけでなくおむつ交換もできる。値段は一式で税込み45万円前後。授乳室は大型ショッピングモールや行政関連の建物に設置されていることが多いが、「お母さんやお父さんが周りを気にせずに自分のペースで授乳し、おむつ替えもできる」というのがこのブースの特徴だ。

 中野さんは「授乳ブースは女性の社会進出の幅を広げるだけでなく、コロナ禍でも効果的だと思う」と話している。同社のショールームで体験ができる。問い合わせは同社(048・915・3656)。(佐藤太郎)