電柱のカラスの巣、AIで発見 停電防止へ四国で導入

亀岡龍太
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 【愛媛】カラスが電柱に巣を作ることに伴う停電は、電力会社の悩みの種。新たな対策として、四国電力のグループ会社が人工知能(AI)を活用した「営巣探知システム」を導入した。巣を探して回る探索班の車やバイクに搭載し、迅速で効率的な撤去をめざす。

 四国電力送配電(高松市)によると、2016~20年にカラスの巣を撤去した件数は四国4県で年間平均約2万件に上る。愛媛、香川が各約8千件、徳島が約3千件、高知が約600件。それでもカラスの営巣が原因で生じる停電は、四国で年10~30件程度起きている。カラスが巣の素材として持ち込む金属製ハンガーなどで通電が生じ、停電を引き起こす例が大半という。

 新システムは、同社が18年から、通信・情報システムのNTTコムウェア(東京都)と共同で開発を進め、今年2月に導入した。

 電柱などに作られたカラスの巣の様々な形状や色の画像数百枚をAIに記憶させ、そのパソコンとつないだカメラを探索車のフロントガラスなどに取り付けた。道路沿いを撮影しながら走行すると、AIがリアルタイムで画像データと自動照合。巣を認識すれば、即座に「警告」と音声が流れる仕組みだ。

 四電送配電はこれまで、カラスが巣を作る2~7月に週2回、定期的に巣の探索を実施。車で移動する2人1組の探索班が巣を目視で確認し、撤去班に連絡して撤去してきた。

 今回導入したシステムでは、目視による確認が必要な場合もあるが、ほぼ確実にAIが巣を特定。2人1組の探索が1人でできるようになり、探索範囲の拡大も見込めるという。また、巣の位置情報は別の場所にいるスタッフに同時に共有されるため、探索班が電話で連絡する手間も省け、撤去のスピードアップにつながるという。

 これまでに香川で車とバイク各2台、愛媛で車4台に新システムを搭載。四電送配電は「停電を防ぎ、電力を安定的に供給するためには、巣の位置の特定や撤去の効率化は欠かせない」とし、四国4県への拡大を検討している。(亀岡龍太)