昨年の妊娠届4.8%減、過去最少か 出生数1万人超減
2020年に全国の自治体に提出された「妊娠届」は87万2227件で、前年から4・8%減った。19年の同3・3%減よりも落ち込み幅は大きくなった。新型コロナの感染拡大を背景に、妊娠を控える動きが広がったとみられる。
厚生労働省が26日発表した。妊娠届は、妊娠11週までに9割以上が提出している。2018年度分までは年度ごと(4月~翌年3月)の集計で単純比較はできないが、20年(1~12月)は過去最少とみられる。初の緊急事態宣言が出ていた5月が前年同月比17・6%減と、年間で最も大きく落ち込み、7月も同10・8%減と落ち込んだ。
コロナ流行期の自粛が妊娠などに与える影響を調査している厚労省の研究班(代表者=安達知子・愛育病院長)は「昨年3月から5月が一番の自粛期間だった。この時期に妊娠を控えて妊娠届が減ったのだろう」との見方を示す。
一方で、年後半は減少幅が小さくなり、9月と12月は同1%台の減少だった。厚労省の担当者は「5月と7月は明らかに届け出数が減っており、コロナの影響があったと思われるが、1年を通すと例年とほぼ変わらない減少幅と考えられる」と話す。ただ、26日に発表された今年1月の妊娠届数は前年同月比7・1%減となっており、昨冬以降の感染拡大が妊娠や出産に影響している可能性がある。
厚労省は近く、20年の出生数を公表するが、例年通りの推計を当てはめると85万人を割り込む見通しだ。19年(86万5239人)よりも1万人以上減る計算になる。コロナ禍で少子化が加速する懸念も強まっている。(久永隆一)
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