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オプジーボ、進行肝細胞がんにも効果 近畿大学など治験

瀬川茂子
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 近畿大などの国際共同研究チームは、肝臓の働きが悪くなった肝細胞がん患者に、がん免疫治療薬の「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」を臨床研究(治験)で使い、効果と安全性を確認した。免疫治療薬は肝臓の働きが保たれている患者だけに使われてきたが、肝臓の働きが悪くなっても使える可能性を示した。27日、国際専門誌に論文を発表した。

 肝細胞がんには肝硬変などが合併していることが多く、患者は肝臓の働きが悪い場合がある。肝臓の働きが悪いと、重い副作用が出る恐れがあり、免疫治療薬は通常使われない。肝臓の働きはさまざまな検査を組み合わせた点数によりABCで評価される。治験でも肝臓の働きがよくAと評価された患者だけを対象にしてきた。

 チームは、これまでの研究からニボルマブには肝臓の働きを上げる可能性があるとみて、治験を計画した。肝臓の働きがBと評価された進行性の肝細胞がん患者49人にニボルマブを使い効果と安全性を調べた。

 治験では、がんが消えるか3割以上小さくなった患者の割合は12%、重い副作用が出た割合は24%で、効果や副作用はこれまで報告された肝臓の働きがよいAの患者に対する結果とほぼ同じだった。生存期間の中央値は7・6カ月だった。これまで、ソラフェニブという薬を使った研究で報告された生存期間の5・2カ月を上回った。

 近大の工藤正俊教授は「これまで治療法がなかった患者に免疫治療薬が使える可能性を示した」と話す。

 ニボルマブはノーベル賞受賞者の本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授の研究をもとに開発され、さまざまながんで使われている。瀬川茂子