世界遺産の縄文17遺跡 記者が空から発見できた共通点

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編集委員・宮代栄一
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北海道・北東北の縄文遺跡群
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 世界文化遺産に登録される見通しになった北海道・北東北の縄文遺跡群。17の構成資産は津軽海峡を挟んで計4道県に広がり、全部見て回ろうとすれば最低でも5日以上はかかりそうだ。主だった遺跡を考古学の専門記者が空から駆け足で巡った。

《北海道》

●北黄金貝塚(伊達市)

 東京・羽田から小型ジェット機で1時間あまり。眼下に道央の南端にあたる室蘭港が見えてきた。しばらくすると北黄金貝塚(伊達市)が視界に入ってくる。7千年前から5500年前の大規模な貝塚と集落跡で、史跡公園として整備されている。内浦湾から数百メートルほどの小高い丘の上に、ぽつんと白い楕円(だえん)形のしみのようなものが見える。復元された貝塚の貝層展示らしい。台地の左右には、谷が入っているのがよくわかる。

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北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産、「北黄金貝塚」(中央)=2021年5月24日、北海道伊達市、朝日新聞社機から、池田良撮影

●入江貝塚、高砂貝塚(洞爺湖町)

 そこから西へ1分ほど飛ぶと、入江貝塚(洞爺湖町)が見えてきた。隣り合うように数百メートル先に高砂貝塚(同)も見える。

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隣り合うように位置する入江貝塚(左)と高砂貝塚(右)=2021年5月24日、北海道洞爺湖町、朝日新聞社機から、池田良撮影

 緑の芝の中に、復元された貝層の白が目立つ。入江貝塚は約3800年前、高砂貝塚は役3千年前の遺跡で、貝塚や墓などからなる。

 入江貝塚は小児まひ筋ジストロフィーなどが原因と考えられる筋萎縮症にかかった人の骨が出土したことで有名だ。この縄文人は成人だったため、動けない人を集落全体で支える仕組みがあったと考えられている。

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北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産、「入江貝塚」(中央)=2021年5月24日、北海道洞爺湖町、朝日新聞社機から、池田良撮影
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北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産、「高砂貝塚」(中央)=2021年5月24日、北海道洞爺湖町、朝日新聞社機から、池田良撮影

●鷲ノ木遺跡(森町)

 昭和新山のわきを旋回し10分ほど飛ぶと、鷲ノ木遺跡(森町)が見えてきた。北海道では最大級といわれる約4千年前の環状列石だ。直径37メートルの円状に二重に石を立て、内部に竪穴や墓がつくられていた。

 鷲ノ木遺跡はその真下を高速道路(北海道縦貫自動車道)が通っていることでも有名だ。このような遺跡は世界的にも珍しい。遺跡を壊さないよう、道路はトンネルを通っているが、世界遺産登録に際しては構成資産ではなく、関連資産という扱いになった。遺跡は表面に保護のためのシートがかけられているようで、上に置かれた重しの列が幾何学模様のように見えた。

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北海道・北東北の縄文遺跡群の関連資産、「鷲ノ木遺跡」。遺跡の下には高速道路がある=2021年5月24日、北海道森町、朝日新聞社機から、池田良撮影

●大船遺跡(函館市)

 さらに南下すると、大船遺跡…

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