シリア大統領選、アサド氏4選か 難民の多く投票できず

有料会員記事

イスタンブール=高野裕介
[PR]

 内戦が続く中東のシリアで26日、大統領選の投票が行われた。21年にわたって権力を握るアサド大統領(55)の4選は確実な情勢で、政権は「民意」を背景に統治の正統性を内外に誇示するとみられる。ただ、故郷を追われた市民の多くは投票すらできず、将来への希望は絶たれつつある。(イスタンブール=高野裕介)

 「アサド大統領だけが私たちの希望をかなえ、国を強くできる指導者だ」。首都ダマスカスの投票所で、大学生のサミさん(23)が朝日新聞の取材に話した。アサド氏のポスターは街の至る所に飾られ、支持者たちが顔写真を掲げたり、国旗を振ったりした。

 国営通信によると、登録有権者数は在外も含めて1800万人以上で、朝から多くの市民が投票所を訪れた。アサド氏に投票した男性は、「彼がいなければ、シリアは分断される。経済が悪いのは制裁のせいだ」と、欧米に怒りの矛先を向けた。

 アサド氏は、30年間権力の座につき、2000年に死去した父ハフェズ氏の後を継ぎ、強権統治を続ける。内戦下で実施された前回14年は投票率73・42%で、アサド氏が88・7%の得票率で当選。国営通信によると、今回の選挙には51人が立候補を届け出て、認められたのはアサド氏と知名度の劣る2人。内戦の中で10年以上シリアに居住していることや議会からの一定数の支持の取り付けなどが立候補の条件とされ、国外に逃れた反体制派は事実上除外された。

 隣国レバノンに住む人権団体職員の女性(23)は、20日の在外投票で白票を投じた。「アサド以外なら誰でもいい。だが、本当の意味での対立候補などおらず、選択肢はない」と憤った。

 シリアでは11年3月、民主…

この記事は有料会員記事です。残り2029文字有料会員になると続きをお読みいただけます。