梅田にトークライブハウスがオープン 全国配信に活路

森直由
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 大阪市北区堂山町の雑居ビルの2階に4月、トークライブハウス「梅田Lateral(ラテラル)」がオープンした。コロナ禍で特に配信に力を入れ、北海道から沖縄県まで、全国各地の人が視聴している。

 「皆さん、こんばんは。配信イベントを、大阪の梅田ラテラルからお送りいたします」。5月19日午後7時、トークイベント「総勢5000人以上をアゲてきた万引きGメン~あなたの知らない万引きの世界~」が始まった。約150平方メートルの店内にいるのは、司会者と松本尚紀店長(29)の2人だけだ。

 松本さんは和歌山県岩出市出身。高校生のころから映画や音楽が好きで、将来はエンターテインメントに関わる仕事がしたいと考えてきた。関西大学への進学を機に、大阪へ。大学3年生のとき、大阪市内のトークライブハウスでアルバイトを始め、社員になった。

 主な業務はイベントへの出演依頼。出版社や芸能事務所映画の配給会社などにメールで依頼をしたが、なかなか出演者が見つからない。その後、出演した人から紹介してもらうなどして、次第に人脈を広げた。約7年間で、1400回ほどのイベントを企画した。

 副店長を務め、店長になる話も持ち上がっていた。しかし、「独立してもっと自分のやりたいイベントを」と今年2月に退社。開業資金約2千万円を知り合いの会社からの出資で工面し、半分以上を配信用のカメラ8台や音響、照明に充てた。

 イベントでは客を入れる場合でも、コロナ対策で定員を半数以下の50人に抑えている。アクリル板で客席を仕切り、全テーブルに消毒液を置いた。二酸化炭素濃度を測定するセンサーも備え、頻繁に窓を開けて換気をしている。

 4月3日から毎日、お笑い芸人や作家、ジャーナリスト、スポーツライターなどによる多彩なトークイベントを開催。料金は1500~2500円で、平均2時間ほど。来店客よりも、全国から配信を視聴する人が10倍以上も多く、1千人以上が配信を見た日も。今のところ、黒字を確保できているという。

 今後は現職の政治家や動物園の園長など、より幅広い出演者を呼びたいと考えている。作家が小説の書き方を教えたり、料理人が調理方法を指導したりする参加型のイベントも開きたいという。「世の中には面白い人がたくさんいるので、どんどん発掘していきたい。コロナが収束したら、店内で満員のお客さんの笑い声を聞きたい」(森直由)