14日超えるヒト受精卵の培養 国際学会が解禁

有料会員記事

阿部彰芳 瀬川茂子、神宮司実玲
[PR]

 生命科学の分野で強い影響力をもつ国際幹細胞学会が26日付で指針を改定し、研究のために14日間を超えてヒトの受精卵(胚(はい))を培養することを認めた。14日を超える培養の禁止は40年ほど前に提唱され、世界的に取り入れられている。今後、各国で規制見直しの議論が起きるとみられる。

 研究のためにヒトの胚をいつまで培養してよいのかは、1978年に体外受精による出産の成功を受けて、議論が盛んになった。

 胚は14日を超えると、原始線条という構造が現れ、胚の中の細胞が特定の役割をもつように変わっていく。こうした点から、14日を過ぎるか、原始線条が現れたら、胚を廃棄することが国際的なルールとして広く採用された。英国などでは法律で、日本では国の指針で定めている。

 ルールが機能することはしばらくなかった。胚は子宮に着床する段階の受精後7日ほどまで培養できるが、それ以降は技術的に困難だったためだ。だが2016年、13日まで培養し、ルールにもとづいて13日で中止したとする研究を海外のグループが発表し、解禁を求める声が強まった。

 背景には、ヒトの胚は受精から14~28日に大きな変化が起き、マウスと異なる点が多いことがある。この間の変化を解明できれば、ヒトの体が生じるしくみに対する理解が深まり、不妊や流産、生まれつきある病気の治療開発につながる期待もある。

 新指針では、14日を超える胚の培養を禁止の分類から外し、科学や倫理の専門的な評価、承認を受ければ認める分類に変えた。ただし、実際に培養する場合には、それぞれの国で認められることが前提となる。「学術団体や研究資金の提供者、規制当局は、このような研究を認めることで生じる科学的な意義や社会的、倫理的な問題について、市民と対話するべきだ」と新指針は強調する。

 日本では、内閣府生命倫理専門調査会が、ヒトの胚の取り扱いの議論の場となっている。調査会事務局の担当者は「今回の指針改定は注視している。必要に応じて議論していくことになるだろう」と話す。(阿部彰芳)

「日本も議論を」「安易な緩和避けて」

 国際幹細胞学会の指針の改定…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。