若桜町若桜地区が重伝建へ 明治大火の復興街並み 鳥取

東孝司
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 明治期の大火を機に町並みが整備され、町家や土蔵群が保存されてきた若桜町若桜地区が、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されることになった。文化審議会が21日、「山陰地方山間部の商家町として歴史的な風致をよく伝えている」として文部科学相に選定を答申した。

 選定される地区は若桜町若桜の上町、中町、浦町、下町などからなり、面積は約9・5ヘクタール。一帯は17世紀初期に廃城になった若桜鬼ケ城の城下町を起源とし、旧若桜街道沿いの宿場や物資集積地として栄えてきた。

 1885(明治18)年の大火で370戸中350戸が焼失する大きな被害が出た。だが、直後に住民らは「八東郡若桜宿宿会議決書」という復興計画を議決。本通りを拡幅・直線化し、屋根の材質を燃えにくいものに制限するなど、防火対策を盛り込みながら町並みを整えた。

 現在、本通りに面して大火後から1955(昭和30)年ごろまでに建てられた伝統的な町家が残り、敷地背面に土蔵が立ち並ぶ。本通りの両側や背割り線などに沿って八東川から取水した「カワ」という用水が流れているのも特徴で、建物と一体となった風景を形作っている。

 矢部康樹町長は答申を受けて談話を発表。若桜の町並みを「先人の努力によってつくられ、守られてきた貴重な文化財」とし、「選定により、若桜鬼ケ城跡や若桜鉄道をはじめとする周辺の文化財などと一体となった活用を図ることができ、多くの皆様に訪れていただけると期待している」とコメントした。

 重伝建は県内では商家町の倉吉市打吹玉川と農村集落の大山町所子が選定されていて、若桜町若桜地区が3地区目になる。(東孝司)