米と対話か、対立に逆戻りか イラン大統領選を読み解く

有料会員記事イラン大統領選2021

テヘラン=飯島健太
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 対話路線の継続か、対立への回帰か――。6月18日に投票されるイラン大統領選の候補者をめぐり、国際社会に緊張感が漂う。イランでは歴代の大統領によって外交方針が異なってきたという経緯がある。イランと米国との関係にとどまらず、中東地域の未来を占う選挙となる。

 イラン内務省は5月25日、候補者が7人に決まったと発表した。保守強硬派からはイスラム法学者のライシ司法長官とジャリリ元最高安全保障委員会事務局長、レザイ元革命防衛隊司令官、改革派からはイラン中央銀行のヘンマティ総裁らの立候補が認められた。

 2期目の現職で保守穏健派のロハニ大統領憲法の規定で立候補できない。

 この顔ぶれは、国内メディアでも意外感をもって報じられた。おおかたの予想では、同じ保守でも強硬派と穏健派が争う構図になるとみられていたからだ。

 市民の自由拡大を志向する改革派はもちろん、欧米との対話を重視する保守穏健派が支持した有力者も資格審査で失格となり、立候補すらできなくなった。強硬派の当選が確実視されており、中でも知名度が高いライシ師が有力と目されている。

 大統領選の結果は、米国との関係に直結する。

 イランでは1979年、革命で親米の王制が倒れ、在テヘラン米大使館人質事件が発生。80年に米国と断交した。革命後の体制は、イスラム法学者が国の最高指導者として外交や安全保障の最終的な意思決定権を握る。大統領は国民の直接選挙で選ばれるが、事前に候補者の資格審査を担う護憲評議会は最高指導者ハメネイ師の影響下にある。

 対米方針をめぐる候補者の姿勢には幅があり、そこから誰を選ぶのかという点においては民意に委ねられている側面がある。

 対米姿勢は歴代の大統領によって揺れ動き、米・イランの関係に変動をもたらしてきた。

 イランの大統領選は米国と同じく4年ごとにあり、1980年代以降は米大統領選のほぼ半年後に行われている。

 1997年に発足した改革派…

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