自動運転EVの行く先は 「走るスマホ」ソニーも注力

有料会員記事

鈴木康朗、神山純一 千葉卓朗、森田岳穂
[PR]

 自動運転の電気自動車スマホで呼び出す――。そんな次世代のサービスを見据え、自動車産業が百年に一度とも言われる変革期に入った。商機と見たソニーグループが力を注ぐ。米アップルの参入も取りざたされる。車メーカーを頂点とする日本の産業構造は、どうなるのか。

 ソニーは自動運転を見据えた電気自動車(EV)を試作し、VISION(ビジョン)―S(エス)と名付けた。欧州で進めてきた公道実験を、国内でも年内をめどに始める。

写真・図版
ソニーが試作した電気自動車「VISION-S」=2020年7月、東京都港区のソニー本社

 グループの吉田憲一郎社長は、26日の経営方針の説明会で「モビリティーの安全の領域で貢献できる機会が増えつつある」。ソニーは自動車部品の販売につなげる狙いを強調する一方、将来、EVそのものを一般向けに売り出す可能性を否定しない。

 家電やゲーム、音楽を手がけるソニーが、なぜクルマなのか。背景には「CASE(ケース)」と呼ばれる自動車の次世代技術がある。

 インターネットとつなぐコネクテッド(C)、自動運転(A)、シェアリング(S)、電動化(E)だ。高度にかみあえば、自動運転のEVをスマホで呼べるようになり得る。「ロボットタクシー」や「ロボットバス」も想定される。

 C、A、Sは、スマホの普及と通信技術などの発達が後押しする。これらは電気部品を使う。親和性の高いEは、脱炭素の流れも追い風だ。

 ソニーは好機とみる。

「動くリビング」エンタメ存分に

 自動運転には、周囲の把握のための半導体が欠かせない。その一つ「イメージセンサー」で、ソニーは世界市場の半分を握る。イヌ型ロボット、aibo(アイボ)やスマホの知見も生きる。クルマが「動くリビング」になれば、得意のエンタメを存分に提供できる。

写真・図版
ソニーグループが試作したEV「VISION-S」は、大きめの液晶画面を備える=2020年7月、東京都港区

 EVの構造は、さほど複雑ではない。ソニーは試作車の設計を自社で担う一方で、モーターや電池は外部から調達。組み立ては欧州の生産受託会社、マグナ・シュタイヤーに委ねた。(鈴木康朗、神山純一)

「CASE」念頭、グーグルやアップルも

 「CASE(ケース)」を念頭に動くのは、ソニーグループだけではない。

 米グーグル系ウェイモは自動…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。