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ワクチン接種の「7月完了」、総務省が自治体に直談判

新型コロナウイルス

小野智美
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 【栃木】高齢者のワクチン接種を7月末までに終わらせるよう取り組む――。菅義偉首相が4月23日に打ち出した新たな目標。これを受けて総務省栃木県幹部が一斉に市町への直談判、働きかけを始めた。与党政治家も動き出した。「7月末」が「錦の御旗」になる中、接種現場からは「国の対応が遅れたのに、そのつけを押しつけないでほしい」との声も出る。

 「7月中に完了できるよう再検討してほしい」

 4月28日、総務省財政課長から矢板市の斎藤淳一郎市長に電話があった。

 前日の27日正午前、県から市町に「15時締め切り」と題したメールが一斉に届いた。メールには「7月末までに希望する高齢者への2回の接種が完了することを前提に検討・ご回答をお願いします」とあった。締め切りまで約3時間。接種の終了時期が「5月中から7月中」以外の場合、「再検討をお願いします」と文末に記されていた。

 斎藤市長は30日、財政課長にファクスで「開業医の全面的支援を受けているものの、医師・看護師が不足している。多くの開業医が休診する日曜日以外に集団接種を実施できない」と回答した。

 那珂川町の福島泰夫町長は4月27日、総務省審議官から電話を受けた。町は8月中旬に終える計画を組んでいた。「7月末までに終えるには何が必要か」と問われ、連休明けの回答を求められた。町長は担当の厚生労働省ではなく総務省からの連絡に驚いたが、担当部署から返答することを約束した。

 5月7日、那須烏山市の川俣純子市長は総務官僚から電話を受けた。口調は丁寧だったが、「7月末になぜ終えられないのか」と問われた。「7月末は難しいので『検討』ではいかがですか」と返した。後日、県幹部からも問われた。川俣市長は「医療職の派遣を考えてほしい」と求めた。県がその方向へ動き出したことを知り、今は「7月末に1回目の接種は終えられるのでは」。

 大型連休明け、栃木3区選出の簗和生衆院議員(自民)から、3区の市町に接種予定について、メールで問い合わせが来た。7月末完了方針への意見や要望も聞かれた。役場では「自民党からも」と驚きの声がもれた。「ワクチン供給日程が不透明では7月完了と言われても出来ません」と返した市もある。

 5月20日夜、県から再び市町にメールが届いた。件名の冒頭に「総務省」。「総務省および厚生労働省より連名で通知がありました」と書き出していた。

 7月末終了見通しのない市町に対し、「明日10時までに高齢者向け接種の終了時期について回答いただきますようお願いします」。今度は12時間以内の回答を求めてきた。(小野智美)

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