シェルのCO2削減強化命じる オランダの裁判所

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ロンドン=和気真也
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 欧州石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルの温室効果ガス削減策が不十分だとして、オランダのハーグ地裁は26日、同社に2030年までにCO2(二酸化炭素)排出量を19年比で45%削減するよう命じた。企業のCO2排出量の具体的指標に踏み込んだ判決は異例。石油大手にとっては事業の根幹に影響しかねず、同社は控訴する方針だ。

 オランダの環境団体などが提訴していた。判決では、シェルによるCO2排出が招いた温暖化が「危機的な気候変動につながり、人権への深刻なリスクをもたらす」と指摘。シェルが、油供給網や消費者を含め、CO2排出に責任を持つ立場と認定し、排出削減策の強化を命じた。

 環境対応で世界的に石油離れが進むなか、シェルも水素事業や再生可能エネルギーによる発電事業に力を入れる。50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げているが、判決は「方策が具体性に欠ける」とした。

 原告側弁護士は判決後、「画…

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