ストーンヘンジと共通点?英国の研究者が語るJOMON

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構成 編集委員・宮代栄一
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 世界文化遺産への登録が勧告された北海道・北東北の縄文遺跡。日本の「JOMON」には、どんな価値があるのでしょうか。日本への留学経験もある英国の研究者、サイモン・ケイナーさん=先史考古学=に聞きました。

 今回、日本の縄文時代の遺跡の一部が、ユネスコ世界文化遺産にふさわしいと登録を勧告されたことは素晴らしいことだと思います。これらの重要な遺跡についての認識を高め、日本の人々にもこれらの遺跡が人類の共通の歴史にとって重要であることを理解してもらうための素晴らしい機会となると思います。

 縄文文化の特色としては、よく言われることですが、採集狩猟民であるにもかかわらず、定住を行っているという点があげられると思います。世界的にみると、中近東やバルト海周辺の先史文化など、同じような特徴を持つ文化は複数認められます。

 そんな中で私が考える縄文文化の最大の特色はまず、極めて多彩な土器文化を有していること。これほど多様な土器型式がある文化を私はほかに知りません。器の形なども多彩で、これらは縄文の人々が、土器を使った調理などの行為にこだわりを持っていたことを示唆しているのかもしれません。ヨーロッパの研究者や市民が最も関心を抱くのは、その多彩な土器や土偶の持つ優れた造形性なのです。

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サイモン・ケイナーさん

 もう一つは樹木の利用を積極的に行っていること。縄文人たちはすでに漆器を使っていましたが、花粉分析からは彼らが早い時期から漆を積極的に利用し、食用として採取されていたクリについても、ある程度、木の管理を行っていた可能性が指摘されています。

 縄文時代に関する考古学的な記録は、現代人に、地球上での、多様な暮らしのあり方を考えるきっかけを与えてくれるでしょう。特に「北海道・北東北の縄文遺跡群」に光が当たることで、縄文人たちの物質文化と精神文化のネットワークにもスポットライトが当たることを期待しています。

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世界文化遺産にふさわしいか判断する諮問機関の現地調査に備え、関係者が参加して大湯環状列石で行われたリハーサル=2020年7月、秋田県鹿角市

 私が特に興味を持っているものの一つがモニュメントです。実は、農耕が行われていない、縄文文化のような社会で、今回登録勧告がなされた大湯環状列石秋田県鹿角市)のように、石を立て並べる「ストーンサークル」が発見されるのは非常に珍しい。

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二つのストーンサークルを主体とした「大湯環状列石」=2021年5月24日、秋田県鹿角市、朝日新聞社機から、池田良撮影

 私は現在、日本列島に30カ…

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