「生地のソムリエ」も…カリスマバイヤー続々異動の松屋

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橋田正城
写真・図版
松屋の宮崎俊一さん。紳士服バイヤーとして年100日前後は海外出張し、店のハンガーや什器(じゅうき)なども買い付けてきた。今春、外商に異動した=2021年5月7日、東京都中央区
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 その道一筋、数十年。「百貨店の顔」とも言えるカリスマバイヤーを3人、得意先と接する外商に配置転換した会社がある。創業約150年、東京・銀座の松屋だ。コロナ禍で海外客が激減し、競合ひしめくネット通販の強化にも限界がある。腕利き社員を富裕層向けビジネスに振り向け、営業強化に乗り出した。

 「生地のソムリエ」。そんな代名詞もある松屋の宮崎俊一さん(55)。バブル期の1989年に入社し、紳士服歴30年。バイヤーとして年100日前後は海外出張し、紳士スーツの生地や宝飾品、売り場の什器(じゅうき)を買い付けてきた。メディアへの露出も多い。

 3月、外商へ異動した。「なぜ僕なのか」「何をやればいいのか」。内示を受けた時は、戸惑いを隠せなかった。外商は、ベテラン販売員が人生経験を生かして、お客様に向き合う部署だと思っていたからだ。

 ところが、会社の話を聞くと疑問は氷解した。

 宮崎さんはこれまで、バイヤーとして商材を仕入れるだけでなく、個人的なつながりから顧客の相談を受け、ファッションなどを提案して購入してもらうことも多かった。ある経営者からは「モーターショーで着る服を作ってほしい」、別の経営者からは「夫婦で2週間、英国のウィンブルドンに行く。どうやって過ごしたら楽しいか、考えてほしい」という具合に。

 それだけ信頼が寄せられているカリスマバイヤーの「目利き力」を、今後は組織的に活用して、外商顧客との関係にも生かせたら――。そんな狙いが、会社にはあった。

 着任後は、外商の担当者が以…

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