デジタル教科書「紙と当面併用」 文科相、全面移行否定

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伊藤和行、編集委員・宮坂麻子 聞き手=伊藤和行、同・増谷文生
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 文部科学省が2024年度の本格導入をめざすデジタル教科書について、萩生田光一文科相が26日、朝日新聞のインタビューに応じ、「紙とデジタルをしばらくは併用するのが望ましい」と述べた。24年度に全面移行する考えはないことも明らかにした。

 デジタル教科書は、紙と同じ内容をデータ化しパソコンやタブレット端末で利用する。法改正で19年度から使用が可能になり、今年度から、各教科の授業時数の2分の1未満と定めていた制限が撤廃された。文科省の有識者会議は3月、小学校の教科書が改訂される24年度からの本格導入を求める中間提言を出した。

 萩生田氏はこれに対し「文科省が前のめりでデジタル教科書に全面移行するかのように思われてしまっているが、そうではない」と説明。「紙や活字文化は大事で、デジタル教科書に全くなじまない教科もある。24年度の全面移行を前提に議論しているわけではない」と述べた。今年度、全国の小中学校で行う実証研究の結果などをふまえ、紙との関係や利用する教科などを検討するという。

 デジタル教科書は、コロナ禍に伴い全ての小中学生に1人1台の端末が整備される「GIGA(ギガ)スクール構想」が前倒しされ、菅政権のデジタル化推進も相まって検討が早まった。萩生田氏は「デジタル教材との連携で学びの幅を広げたり深めたりできる」とメリットを挙げる一方、視力や姿勢など健康面への影響に対する懸念をふまえ、「全面的にデジタル移行さえすればバラ色の学校現場が待っているかというとそうでもない。幅広く見ながら前に進めたい」とした。

 一方、国費負担で無償化され…

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