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接種率トップの和歌山方式 都市部は個別、山間部は合同

有料会員記事新型コロナウイルスフカボリ

西岡矩毅
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 新型コロナウイルスのワクチン接種で、接種率全国1位は和歌山県だ。4月12日の開始から1カ月半で、1回目を終えた高齢者の割合が全国では6・1%だが、和歌山は17・5%(23日現在)。理由を探ると、都市部と山間部の地域ごとに接種方法を使い分ける工夫が見えてきた。

 「調子は変わらないですか。じゃ、打ちますね」

 26日午後、和歌山市十番丁の「中山内科」。ビルの2階にある診療所で、中山恒夫院長は患者に話しかけ、注射器で手際よくワクチンを打った。

 「もう終わったの? 最初チクッとしたけど」。15年以上通院しているという近くの川口茂さん(81)は言った。高血圧の持病がある。「体のことは先生が把握してくれている。信頼している」

 中山院長は当初から個別接種を続けている。「普段から知っている患者や近所の人たちのために、接種に協力している」

 和歌山県内の65歳以上の人口は約30万9千人。その約36%にあたる約11万人が和歌山市に住む。

 和歌山県の診療所の数は、人口10万人あたり110・8カ所で全国1位。和歌山市は118・8カ所で、より多い。市内の診療所約420カ所のうち、6割にあたる約250カ所が個別接種に協力している。

 和歌山市のワクチン接種調整課の担当者は、普段から市医師会などと連携を取っているという。「多くの診療所に協力してもらい、スムーズに接種できている。スピードを落とさずに続けていきたい」と話す。

 市は6月中旬から、かかりつけ医がいない人や近所に医療機関がない人のために、大型ショッピングモールなど市内の3カ所で集団接種も始める。個別接種と並行し、高齢者の2回目の接種が7月上旬には終わる見込みという。

町越えて集団接種

 「紀の国」和歌山には、山間部の小規模な自治体も多い。

 接種は市町村単位が原則だが、県中部の湯浅町と広川町は4月下旬からの9日間、湯浅町役場を会場に合同で集団接種を行った。2町合わせて約6500人いる対象者のうち、約1千人が1回目の接種を終えた。

 湯浅町健康推進課は「2町の文化圏や生活圏は同一で、広川町の住民だが湯浅町の医療機関をかかりつけ医にしている人もいる」と考えたという。5月24日から個別接種も始めた。

 また、2町に隣接する有田川町を加えた3町は、住む町を越えて接種できる協定も結んでいる。県内には他にも、同様の取り組みをしている市町村のグループが二つある。現在は集団接種をしている自治体も、個別接種を今後始める際には、近隣市町と行き来しての実施を検討している。

 県内で最も人口が少ない北山村は、村内唯一の診療所で集団接種をした。村にワクチン1箱が届いたのは5月2日。975回分入っていたが、村の人口432人のうち65歳以上は188人で、接種希望者は152人。希望者全員が打っても余るため、村は16歳以上まで広げ、希望者計318人が1回目の接種を終えた。

 村が村民一人一人の接種日を決め、4月中旬に案内を送った。予定が合わない人は変更できる。村の担当者は「高齢者が多く、予約した日を忘れてしまう恐れがある。人口が少ない分、日程も役場主導で進めることができた」と話す。

苦い思い出、教訓に

 昨年2月、湯浅町にある済生…

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