花街去る芸舞妓20人、年収も激減…京都・五花街の苦境

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大貫聡子
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 新型コロナウイルスの感染再拡大で、芸舞妓(げいまいこ)らが宴席で歌舞音曲を披露し、客をもてなす五花街も実質「休業状態」が続いている。デビューを見合わせる舞妓志望者や、収入が激減し、将来への不安などから花街を去る芸舞妓も出てきた。

 五花街の伝統文化の保存、継承に努める公益財団法人「京都伝統伎芸(ぎげい)振興財団」(おおきに財団)によると、昨年3月現在、五花街で169人いた芸妓は2021年3月には161人に、舞妓は81人から68人に減った。

芸妓「年収10分の1、貯金取り崩して…」

 関係者によると、店出し(デビュー)を見合わせている舞妓志望の「仕込みさん」も増えているという。また上七軒の芸妓の一人は「コロナでお座敷もなく、このままでは『未来がみえない』といって辞めていった芸妓もいる」と話す。

 例年であれば3~4月は春公演「北野をどり」もあり、スケジュールを書いた帳面が真っ黒になるほど宴会の予定が入るという。だが、「北野をどり」は2年連続で中止。昨春の緊急事態宣言や今春にも3度目の緊急事態宣言が出たことなどで宴会は大幅減、今春はほぼゼロになった。

 芸事の稽古も「密」を避けるため、一時中止になった。「高校卒業後、『仕込み』の時から、稽古やお座敷で毎日着物を着てきたが、こんなに着物を着なかった年は初めて」と苦笑する。

 苦境が続く花街のなかで、もっとも大きな打撃を受けているのが芸妓だ。

 舞妓のうちは、所属する置屋が家賃や食費などの生活費を負担する。だが、「自前」として独立した芸妓は個人事業主になる。主な収入源は宴会で客が支払う「花代」だが、宴席は大きく減った。先の芸妓も「昨年の収入は例年の10分の1。貯金を取り崩しながら生活している」と話す。

 各お茶屋組合も芸妓の生活を…

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