弘前ねぷた2年連続で中止 300年の伝統、危ぶむ声も

新型コロナウイルス

林義則
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 2年ぶりの弘前ねぷたまつり開催に向け準備を進めてきた青森県弘前市など主催5団体は27日、今夏の弘前ねぷたも中止すると発表した。弘前保健所管内では新型コロナウイルスの感染が高止まりする状況で、沿道の観客や合同運行の隊列で密集が発生する恐れがあり、感染リスクを下げることが難しいと判断した。

 弘前ねぷた運営委員長を務める桜田宏市長は同日の記者会見で、クラスターの発生や新規感染が続く弘前保健所管内で、例年160万人の人出がある祭りを開催すれば多数の人の流れを作り出してしまうと説明。病床などのひっぱくを避けるため「医療体制や市民の健康を最優先した」と理解を求めた。

 弘前市や弘前商工会議所は感染防止と経済活動の両立をめざして今春、対策を強化したうえで2年ぶりとなる弘前さくらまつりを開催。弘前ねぷたでも、制作現場で感染を防ぐガイドラインを作成し、観客の密集を避けるための運行方法やおはやしの演奏方法などを検討してきた。しかし、入場時の連絡先記入や検温などの対策をとることが難しいねぷたまつりは「この感染状況で開催は難しい」と5団体が一致したという。

 市によると合同運行への参加を見込んでいた73団体へのアンケートでも、10団体以上がすでに不参加を決めるなど、多数が合同運行に難色を示していた。

 一方、2年連続の中止で300年の伝統を持つ弘前ねぷたの文化継承を危ぶむ声も根強い。そこで、市は各団体のねぷた制作や地域内での運行の経費を一部補助する。弘前ねぷたの運行団体が参加する合同運行安全会議の松山憲一会長は「観客の管理は不可能で合同運行は難しい」と理解を示し、「特に子どもたちには文化継承へのダメージが大きい。町内運行や代わりのイベントでねぷたを見せてあげたい」と話した。(林義則)

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