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「圧倒的売り手市場」コロナで一転 なぜ縮む医師の求人

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重症患者を診る医療関係者=2021年5月、福岡市内、藤脇正真撮影
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 コロナ対応の最前線に立つ医師の採用市場が大きく変化している。勤務医の求人数が減り、求職数が増加傾向となる「買い手市場化」が進んでいるのだ。医療現場の窮迫が叫ばれている中で、なぜなのか。

 求人サイトのデータ収集と分析をするITベンチャー「HRog(フロッグ)」と朝日新聞が協力し、医師や看護師、薬剤師などの求人情報を扱う主要な二つの医療系求人サイトに2019年1月~21年3月に掲載された求人データ、延べ約830万件を分析した。

 まず、各月の最初の月曜日の時点で掲載されている職種が「医師」の求人を抽出。医療機関名と仕事内容が同一のものは同時に複数のサイトに求人を出していると見なして、重複分を削除した。

 その結果、医師の求人数は、国内で初めての緊急事態宣言が出た20年4月は546件で、前年比8%減。以降も減少傾向は止まらず、12月には508件と前年で最も求人が多かった3月に比べて100件以上減少していた。

 通年で見ても、前年比でプラスに転じた月はなかった。地方別では関東や近畿地方での低迷が目立つ。同様の傾向は看護師の求人からも見てとれた。

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医療系求人サイトの分析による全国の医師求人数の推移

 医師の人材紹介会社「エムステージ」(東京都品川区)によると、コロナ禍以前、医師は「圧倒的な売り手市場」だったという。それが、感染拡大とともに求人を控える病院や診療所が増加。同社の調査でも、20年4月以降では常勤医師の新規求人依頼数は、平均で前年比14%減。非常勤では25~30%減と、大きく変化しているという。

 同社MHR事業部の田中宏典・事業部長は、「感染症予防のために病院が職員などの出入りを抑えたり、感染を懸念する患者が受診を控えたため病院経営が悪化したりしたことが、求人数の落ち込みにつながっている」と分析する。

 特に非常勤の医師の求人でその影響が顕著だといい、売り上げの大きな割合を占める外来患者の急減で経営が厳しくなった中小病院や診療所を中心に、これまで出していた求人を止める動きが出ているという。

 診療内容別で見ると、昨年特に求人数が減ったのは主に耳鼻科小児科整形外科。だが、今年に入って受診控えの傾向が緩み、外来患者数が徐々に回復。求人を再開する医療施設も出てきているという。

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 一方で、求職する医師の数は、求人数に反比例するように急増している。

 エムステージの調査では、常…

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