スーチー氏の衣装デザインした僕 日本からもできること

有料記事ミャンマーはいま

笠原真
[PR]

 ミャンマーでクーデターを起こした国軍による市民への弾圧がやまないなか、ファッションデザイナーとして日本で活動する渋谷ザニーさん(36)が4月、ミャンマー市民のための基金をつくった。国軍の弾圧で家族を亡くしたり、避難したりしている人を支援していく。「日本からミャンマーの闇を照らす月明かりになるように」との願いを込めて、「フル・ムーン基金」と名付けた。

 渋谷さんが生まれ育ったヤンゴンを離れて日本に移り住んだのは1993年、8歳の時だ。父は88年にミャンマーで起きた大規模な民主化運動に参加した後、先に日本に逃れていた。当時も国軍は、今と同じく民衆に銃口を向けていた。父に抱えられながら逃げた記憶が頭の片隅に残る。

 母語を忘れることはなかった。「両親との会話はミャンマー語。ミャンマーに残った祖父母との文通や電話も続けた」という。2012年に日本国籍を取得した。

 高校生の頃からモデルとして活動。大学卒業後にファッションデザイナーの仕事を本格化させ、26歳でレーベル「ZARNY(ザニー)」を立ち上げた。ブライダルのドレスやアクセサリーなどでブランドを確立してきた。

 12年6月、ノルウェーの首都オスロ。1991年にノーベル平和賞を受賞し、長年の自宅軟禁が解かれたアウンサンスーチー氏が21年越しに受賞演説をした。

 この時に着た民族衣装の巻き…

この記事は有料記事です。残り604文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら