メール禁止、密室は× 教員による性被害の根絶を模索

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阿部朋美、三島あずさ、宮坂麻子
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 児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職になった教員に、失効した教員免許を再交付しない権限を都道府県教育委員会に与える新法が28日、成立した。再発防止への一歩だが、教員による加害が子どもに残す傷痕は深く、各地の教委は被害を生まないための対策に力を入れている。

 宮城県では2014年、教え子に「かわいいですね」など不適切なメールを送り続けたとして、2人が減給処分を受けた。これを受けて県教委は翌年、教職員が児童生徒にメールなどで連絡を取ることを禁止した。担当者は「不適切な関係になる可能性を少しでも減らすため」と話す。

 佐賀県も16年、教職員が児童生徒へ連絡する際は保護者を介するよう、全学校に通知。個別に連絡する必要がある場合は、校長や保護者の許可を得た上で、宛先に複数の職員や保護者を入れるよう求めている。

 「スキンシップやマッサージと称して児童・生徒の体に触ったり、指導者の体を触らせたりしていないか」「仮に児童・生徒が好意を伝えてきたとしても恋愛関係になることは決して許されないことを認識しているか」「性暴力を扱ったインターネットのサイトや雑誌等に興味を持ち始めていないか」――。

 大阪府は、教員向けのチェックリストを府立学校と市町村教委、新規採用者に毎年配布。05年に作成し、20年に改訂した。

 「生徒の相談に乗り、SNSでやりとりするうちに『自宅を見せてほしい』と言われ、自宅でわいせつな行為をした」など、実際にあった不祥事を例示。児童・生徒から「相談があるので2人だけで話を聞いてほしい」「部活の帰りが遅くなったので車で送ってほしい」などと言われた場合、どのように対応するべきか問いかけ、問題点や不祥事に結びつきかねない言動の自己点検を促す。昨年2月には、わいせつなどの不祥事を防ぐため、数人で意見交換しながら考えるワークシートも新たに作成した。

 相模原市も、SNSの私的利用について、教員向けガイドラインを18年に作成。管理職や新人研修で活用しているという。

 市教委の担当者は「新人の中には学生気分がまだ抜けていない人もいる。他の研修内容に先がけて、冒頭で、SNSの公私の使い分けや、事件に発展しかねない児童生徒とのかかわり方について注意喚起している」と話す。

 校内や個別指導で、死角や密室状態をつくらないようにすることも、定期的に周知しているという。

 教員の校内でのスマートフォン利用を、厳しく制限する自治体もある。

 浜松市は19年、教員による…

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