18、19歳に「責任自覚を」 少年院教育の見直し提言

伊藤和也
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 18、19歳を「特定少年」と位置づけて刑事手続きを大人に近づける少年法改正を受け、法務省の有識者検討会は28日、少年院での矯正教育の見直しを提言する報告書をまとめた。特定少年に責任の自覚を促す新たな教育プログラムの導入が柱だ。来年4月に予定される改正法施行に向け、同省は具体的な内容を詰める。

 少年法の改正は、来年4月施行の改正民法で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることを受けたもの。報告書は、特定少年に「法的・社会的立場が変わることを踏まえた責任の自覚」と「非行への反省」を促す教育プログラムの導入を提案した。そのうえで、「責任のみに偏らないよう権利と義務の両方をバランスよく教える必要がある」と指摘。成人として保護者の同意がなくても契約や結婚が可能になることに伴い、社会生活上の法的知識や課題を学ばせる必要性に言及した。

 また、現行の矯正教育のあり方にも注文を付けた。仕事に役立つ知識や技術の指導にあたり、時代に合わせてICT(情報通信技術)に関する技能を習得できる内容も含めることを提言。清掃などの社会貢献活動では、地域と連携して課題解決に関われる仕組みにし、活動の意義や目的を明確に意識できるようにすることを求めた。

 上川陽子法相は28日の記者会見で、「個々の成長の程度などを的確にアセスメントすることが重要。効果的な教育、指導が行えるよう速やかに検討する」と語った。

 改正少年法は特定少年について、家裁から検察官に原則送致(逆送)して刑事裁判にかける対象犯罪を拡大し、起訴段階で実名での報道を可能にする。少年の更生可能性に着目した保護処分のあり方も、罪に応じたものへと転換する。一方、適用年齢は20歳未満を維持し、事件を起こした全員をいったん家裁に送致して生い立ちや事件の背景を調べる仕組みは残す。21日に成立した。(伊藤和也)