世界唯一の木造十三重塔そびえる 神仏習合の神社

岡田匠
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 談山(たんざん)神社は藤原鎌足(かまたり)をまつる。大化の改新の645年、鎌足と中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が蘇我入鹿(そがのいるか)を討つ。直前、2人はここで蘇我氏討伐を謀り、国造りを語らった。のちに談(かたら)い山とも呼ばれ、神社名の由来になった。

 明治初期の神仏分離令までは神と仏が一体の神仏習合のもと、妙楽寺(みょうらくじ)と呼ばれた。今もその名残が色濃い。国重要文化財の建造物は15棟。神廟拝所(しんびょうはいしょ)は妙楽寺のときの講堂だ。拝殿は京都・清水寺の舞台と同じく、長い柱を斜面に組む懸(か)け造り。極彩色の本殿は栃木・日光東照宮の手本になったと伝わる。

 圧巻は高さ約17メートルの十三重塔。鎌足の長男の定慧(じょうえ)が678年、鎌足をまつるためにたてた。いまの塔は1532年の再建で、木造の十三重塔としては世界で唯一という。

 「神社とお寺、どちらかが欠けても日本の文化は成り立たない。神社とお寺が手を取り合い、幸せを祈りたい」と権禰宜(ごんねぎ)の土居三純(みすみ)さん(29)。6月1日~7月31日、秘仏の談峯(だんぽう)如意輪観音菩薩坐像(ぼさつざぞう)が特別公開される。(岡田匠)

 《メモ》奈良県桜井市多武峰319、電話0744・49・0001。桜井駅南口から市コミュニティバスで、談山神社下車。拝観料中学生以上600円、小学生300円。