テスト0点でも怒らなかったおやじ 幸せ探す冒険の原点

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 子どもの頃、地元の神奈川・鎌倉の海を見て思ってしまった。

 「水平線の向こうには、何があるんだろう……。いつか見に行こう」

 夢を追い続けて、数十年。これまで、ヨットで計4度の世界一周を遂げた。

 海洋冒険家白石康次郎。54歳。

 この2月には「最も過酷」と言われ、4年に1度開催される世界最高峰のヨットレース「ヴァンデ・グローブ」をアジア勢初、非白人として初完走した。

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 スタート6日目でメインセールが真っ二つに裂けるトラブルに襲われたが、出場33艇中16位でゴール。長さ18・28メートル、最大幅5・85メートルのヨットに乗り、たった一人でフランス西部の港町を出港し、再び戻ってくる。どこにも寄らず地球一周5万3千キロ、タイムは「94日21時間32分56秒」だった。

 この冒険に向け、白石はスポンサーから集めた8億円でヨットを新造した。ただこのレース、たとえ優勝しても賞金は20万ユーロ(約2650万円)。「お金のためにやっている人なんていないよ」。16位では、手にするお金は数十万円ほどだったという。

 では、なぜ命を懸けて海に出るのか。

 「好きだから。『好きなことばかりやってちゃダメだ』なんて言う大人に、だまされちゃいけないよ。好きなことだから楽しくて、幸せで、頑張れる」

 そんな思考のルーツは、少年時代にあるという。

 当時、不思議だったことがあ…

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