医師2人の村でワクチン接種9割超 村長の秘策とは

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宮坂知樹
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 人口約8千人に医師2人。そんな医療過疎の環境で、新型コロナワクチンの高齢者接種率(1回目)が9割を超えている村が新潟県内にある。年明けから周到に準備し、県外まで出向いた村長らの「リクルート」活動が奏功している。

 越後平野の日本海沿いにそびえる弥彦山の東麓(とうろく)、温泉街を抱える新潟県弥彦村。ワクチン接種会場の体育館で21日、1回目の接種を終えた同村の熊谷司伸(しのぶ)さん(70)は「スムーズに接種できる態勢をつくってくれたおかげ。安心して生活できそうです」と頰をゆるめた。

 この日は村による集団接種の4日目。村内2会場の「打ち手」の医師6人は、いずれも東京都内から期間限定でやって来た「助っ人」だ。その一人、都内の大学病院に勤める30代の男性精神科医は「医師が少なくて困っていると聞き、コロナ禍を早く終わらせるために力になりたいと思って来ました」。同じ病院の医師に、村での仕事を紹介されたという。

 弥彦村には公費接種の対象とされた16歳以上の村民は約6700人いる。しかし、村内には歯科以外の医療機関が二つしかなく、医師はそれぞれに1人だけ。小林豊彦村長は「ただでさえ管理の難しいワクチンを、医師1人で3千人以上打つなんてできるわけがない」と早々に集団接種を決めた。難題は、それを担う医療従事者の確保だった。

 接種開始時期も未定だった1月、「接種態勢が整った地域が優先されるかも」という見通しを県幹部から聞き込むと、村は、すぐさま地域の医師会や新潟大関係者らに集団接種への協力を打診。しかし、通常業務などを理由に色よい返事が得られず、今度は小林村長がつてを頼った。村長になる前に、日本経済新聞社の記者や出版局長、日経リサーチの社長などを歴任した過去を持つ。

 1~2月の上京時、人脈を頼…

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