第2回コロナが変えた人とのつながり 多様化したひとり空間

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 気の置けない仲間と会って、たわいのない話をする。居酒屋で職場の同僚と愚痴をこぼし合う。そんなありふれた「日常」が、コロナ禍で一変しました。対面や移動を避ける生活様式は、人間が本来持つ社会的なつながりや、ひとりで過ごす空間のあり方に変化をもたらしている。専門家はそう指摘します。コロナ禍は、私たちの「孤独」に対する意識も変えるのか。孤独・孤立問題に詳しい石田光規・早稲田大教授と、都市・建築論などが専門の南後由和・明治大准教授に聞きました。(GLOBE編集部・太田航)

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孤独 居場所を失った世界で②

非対面が広げるつながり格差 早大・石田教授

 コロナ禍で「対面でなくてもいい」という意識が生活に入り込み、文化として定着した。対面でないやりとり自体は、スマートフォンが広まった時点でできるようになっていたが、コロナ禍でみながするようになった。

 その結果起きているのが、「接触の選別」とも言うべきもの。仕事でも友人関係でも、なんとなく会うことが難しくなり、会うことに理由が必要になってきている。「リア充」や「ぼっち」という言葉が示しているように、リアルな人間関係を持てる人とバーチャルな人間関係しか持てない人の格差は広がるだろう。

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石田光規・早稲田大教授=20年11月、東京都新宿区、益満雄一郎撮影

 大企業を中心に在宅勤務が広がった。会社にいても互いに離れて席に着いたり、何げない会話や雑談がしにくかったりで、会社にいるほうが孤独を感じるという人もいるだろう。会社への帰属意識が下がるのは確実だ。対面を省くことばかりを考えるのではなく、交流をどう保つかも真剣に考えるべきだ。

 大学ではオンライン授業が定着した。コロナが収束しても変わらないだろう。学生がキャンパスに行く機会が減れば、「○○大生」というアイデンティティーが薄れることにもなりかねない。自分が何者かを形作るものがなくなり、不安を抱えて社会に出ることにならないか心配だ。

コロナ禍で「孤独」が新たな社会問題になっています。孤独との向き合い方を国内外で取材してきた記者が、その現状に迫ります。連載第2回は専門家に聞きました。

 日本社会の孤独や孤立は、1…

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