「赤ちょうちん、消すもんか」 コロナ禍の涙の果てに

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編集委員・小泉信一
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現場へ! 夜の社交場 コロナ禍の1年①

 群馬県の県庁所在地、前橋市。県内の新型コロナウイルス感染者が過去最多の113人となった今月8日夜、飲食店街は静まりかえっていた。シャッターは下り、ネオンも消えている。暗い道を不安に思いながら歩いていたら、電信柱の陰から女性が現れた。

 「飲んでいきませんか」

 キャバクラの客引きらしい。明かりを消して営業しているようだ。彼女たちも生活をしていくために必死なのだろう。しつこくつきまとってくる。そのうち屈強な男性が現れ、連れ込まれるかもしれない。身の危険を感じ、急いで立ち去った。

 夜の街は自分の直感を頼りにぶらぶら歩いてこそ楽しいのだが、そんなのんきなことを言っていられない時代なのかもしれない。前橋のテナントビルでスナックを経営する吉田真弓(51)は「売り上げはこの1年で3分の1以下になりました」と顔を曇らせる。

 人との触れ合いが好きで仕事を始めた。独立し、気がついたら26年。店では検温や消毒、空気の入れ替えは徹底してきた。飛沫(ひまつ)感染防止のため、カウンターは1席ずつアクリル板で仕切り、吉田もマスクを決して外さなかった。

 「やれることはすべてやってきた。『夜の街』がコロナの発生源のように言われるのは悲しい」

 密閉、密集、密接。「3密」…

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