117論文に捏造改ざん 昭和大が麻酔科講師を懲戒解雇

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阿部彰芳
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 昭和大(東京都品川区)は28日、麻酔科学講座の講師だった上嶋浩順医師が書いた論文117編に、捏造(ねつぞう)または改ざんがあったと発表した。調査した委員会は論文の撤回を上嶋氏に勧告した。同大は昨年5月、上嶋氏を懲戒解雇、一部の論文で不適切に共著者になっていた同講座教授の大嶽浩司医師を降格の処分にしている。

 上嶋氏は局所的に神経を遮断して痛みを抑える「神経ブロック」を専門とし、多数の論文のほか、医療者向けの解説書も出している。昨年3月、上嶋氏が論文を投稿した雑誌の編集者が、同大にデータに不正がないか調査を依頼。同大は調査委員会を設置し、上嶋氏が著者に含まれる147編を調べた。

 調査委の報告書によると、このうち捏造・改ざんは117編で認められた。131編では論文作成に貢献していない人が共著者に入っており、不適切に共著者になったとして大嶽氏のほか、同講座のメンバー2人の不正も認定した。

 捏造・改ざんが認定された論文のデータ処理や解析は上嶋氏が単独で行っており、ほかの共著者の関与は認められなかったという。調査委は、上嶋氏の「研究倫理意識の欠如が要因の一つ」と指摘。また、大嶽氏が上嶋氏の業績を評価し、研究内容を定期的に確認していなかったことも要因に挙げた。

 捏造・改ざんが認定された論文の内訳をみると、症例や新規技術を紹介する短い形式の論文(レター)が95編で大半を占め、原著論文は10編、症例報告は7編だった。

 同大は朝日新聞の取材に「研究活動の不正行為が行われたことは、誠に遺憾であり、本学の研究に対する信用を失墜させ、多くの関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。今後は研究倫理教育の徹底等再発防止策を実施し、全学をあげて再発防止に取り組んでまいります」とコメントした。

 国内では2012年、日本麻…

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