下水からコロナ検出、地域別に感染状況を分析へ 国内初

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井東礁 田中奏子
【動画】下水をコロナ検査=井東礁撮影
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 下水から新型コロナウイルスを高感度で検出する技術を、塩野義製薬北海道大学が開発した。同社はこの技術で下水処理場を検査し、地域の感染状況を分析するサービスを6月にも始める。こうした取り組みは国内では初めてだという。無症状の人も含めた感染者数の動向を、より把握しやすくなる利点がある。

 コロナウイルスは無症状の人からも大便と一緒に排出されることがあるため、欧米では下水処理場などでのウイルス検査が広がりつつある。国内でも各地の自治体などが研究を進めているが、感染者が比較的少ないため下水中のウイルス濃度が低く、検出する技術が確立していなかった。

 塩野義と北大は昨秋から始めた共同研究で、大便を含む下水の固形物を濃縮し、効率よくウイルスを検出する技術を開発。数万人のうち数人でも感染者がいれば検出でき、ウイルスの量からおおよその感染者数も推測できる。下水中のウイルスの大部分は不活化しており、検査に携わる人が感染する可能性は極めて低いという。

 サービスは、主に下水処理場を運営する自治体などに提供する。費用は未定だが、すでに複数の引き合いがあるという。

 各自治体は今はPCR検査の陽性者数を集計しているが、無症状だと検査を受けない人も多い。下水検査ならそうした人も含めた感染動向がわかる。感染者がほとんどいない地域では、下水検査でウイルスが検出されたら住民にPCR検査を受けてもらって感染者を割り出す、といった活用方法も考えられる。

感染状況予測サービスも開発中

 4月からは大阪府内10カ所…

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