英国特別ビザに3万4千人超の申請 香港の国安法施行で

ロンドン=金成隆一
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 反体制的な言論を封じる香港国家安全維持法国安法)の施行を受け、旧宗主国の英国が新たに香港からの移民を対象に創設した特別ビザに、3月末までに約3万4300人が申し込んだことが27日、分かった。

 英政府の統計によると、海外から約2万600人、英国内から約1万3700人が申請。約7200人に既に発給されたという。

 パテル内相は同日、多くの申請を「喜んでいる」とツイッターで発信した。「英国で自由に新しい人生を築くことができる。グローバル・ブリテンは常に自由のために立ち上がることを、この新規のビザルートが示している」ともつづった。

 英国は、香港が中国に返還された1997年以前に生まれた香港人に対し、英国に半年間滞在できる「英国海外市民(BNO)旅券」を出してきた。

 特別ビザの受け付けは、今年1月末に始まった。BNO旅券の資格を持つ人と扶養家族らに5年間の居住を認め、さらに1年滞在すれば市民権も申請できる道を開いた。

 特別ビザの申請資格を持つ人は、香港の人口の7割にあたる540万人とみられ、英政府は5年間で25万~32万人が移住すると予測している。英国は国安法について、中国返還後の香港に高度な自治を認め、一国二制度を保障した中英共同声明の「深刻な違反だ」(ジョンソン首相)と強く反発している。(ロンドン=金成隆一)