法政大、図書館vs法学部 貸し出し履歴の保存巡り3年

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赤田康和、西村奈緒美
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 法政大学図書館が貸し出し履歴を保存する新サービスの導入を検討し、法学部の教授らが反対している。一部の大学図書館や公共図書館では履歴保存サービスが既に始まっている。そんな中、法学部側が訴える懸念とは何か。図書館側は懸念に対して、どう説明しているのか。

 法政大では27日、各学部の学部長のほか、常務理事、大学総長が出席する「学部長会議」が開かれ、新サービスについて協議した。しかし、結論が出ず、継続して検討する方針となった。

 協議の内容や新サービスについて、法政大学図書館は取材に「検討中の内容のため、取材へのお返事はできかねます」と回答した。

 図書館側が作成した複数の文書によると、新サービスは、過去に借りた本の書名や著者名などの書誌情報のほか、貸出日、返却日などの情報を利用者が閲覧できるようにする。

 現在は、本を返却すると、その利用者がその本を借りたという貸し出し記録は消去される。新サービス導入後はその記録が保存・蓄積され、貸し出し履歴として閲覧できるようになる。

 履歴を閲覧できるのは利用者本人のみで、図書館スタッフは、業務上必要な最低限の範囲でしかアクセスしない。利用者はいつでもサービスを中止でき、中止すれば履歴も削除されるという。

 図書館側が掲げる狙いは「利便性の拡大」。過去に借りた本の書誌情報のダウンロードが可能になり、論文やリポートの参考文献リストに活用できるという。

 ただ、図書館を使い慣れた学生には、より本格的な文献管理サービスの講習をしていることが多いため、図書館側は文書で新サービスについて「図書館をあまり使ってこなかった層にこそメリットが高い」と強調している。

反対を受けて先送り 仕様を変更したが……

 図書館側は2018年8月のシステム更新に合わせた導入を目指していたが、反対を受けて先送りし、昨年12月ごろ、仕様を変更した新しい案を示した。

 3年前の案では、利用者が自ら操作しないと、貸し出し履歴が自動的に保存される仕様だったが、新サービスの利用を希望する人の履歴のみが保存される仕様に変更した。

 法学部は今年2月、「個人情報保護の観点から危険性がある」として運用開始に反対する意見書を提出。それ以降も追加の意見書を提出してきた。

 最も懸念しているのは、警察…

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